
いまからでも遅くない! シーズンOFF時のクライミングスキンの収納方法について
皆さんコンニチワ
盛岡店のトーチャンです
先日5/21、シーズンファイナルの鳥海山で八戸店の常連さんたちとBCセッションしてきました
前夜、夕刻の竜ヶ原湿原と七高山
さあ、出発っ!
強風の中をひたすら登り…
強風の七高山ピークに到着っ!
雲海に向かってドロップ!!!
この広大な斜面、貸し切り!!
ひゃっほ―♪
以上、ダイジェストでした
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さて、今回のお題は【シーズンオフ時のシールの収納】です
シール(クライミングスキン)は、オフシーズンの収納方法を誤るとグルーが一気に劣化してしまい、買ったばかりのものでもネトネトになってしまうことがあります
グルー劣化の要因は、水分・酸化・温度の3つ
特に水分はグルーの大敵です!
山でシールを使用するときに多少濡れてしまうのは仕方ないのですが、濡れたまま収納袋に入れて保管したり車内に放置したりすると、蒸れることでグルーが一気に劣化してネバネバになる原因になります!
シーズン中も、使用後は室内で吊り干しするなどして極力乾燥させることを心掛けましょう!
乾燥させる際に、高温になる乾燥室での吊り干しやドライヤーなどでの熱風を当てることなどもグルーには悪影響ですのでご注意を。
店頭では収納方法について詳しくお話しさせていただくことが多いのですが、今回は写真付きで解説していきます
まずは来シーズンがスタートした時すぐに使えるように、グルーが弱くなったり木屑の付着などで効きが悪い部分をタッチアップ!
4月にグルーの貼り換えしたばかりなのに、5月の鳥海山4連チャンでこんなに汚れちゃいました。。。
トップロッカーのスキーなので先端近くはシールの幅が広くなくてもいいってことで、本題から反れますが少しスリムにカットしちゃいます
キッチンペーパーを当て、カットするラインをマジックペンで引きます
あとはチョキチョキと切っていきまして…
こんな感じ♪
これを4か所同様に行ったら、シールの幅の両脇にチューブタイプのグルーを垂らします
汚れについては、今回は取り切れない分についてはグルーに塗り込めちゃいますw
(裏ワザとして、多めにグルーを塗り足して熱をかけ、浮いた汚れをグルーもろとも押し出しちゃうことも出来ますが、慣れないと難しいかも。)
タッチアップを数回繰り返して、どうしても汚れの部分が悪影響があるという状態になったら電熱スクレーパーや《新聞紙&アイロン》作戦で取り除きますが、手順については各店のスキー担当者にお尋ねくださいネ
…しっかし、汚れたもんだなぁ。。
次に、名刺程度の硬さの厚紙でグルーを薄く均一に伸ばしていきます
だいたいこんな感じでOK(シールの脇にはみ出さないよう注意!)
次は、シール購入時やグルーリペア時についてきた台紙をグルー面に貼っていきます
もし捨ててしまったり破れてしまった場合などは、スーパーで売っているクッキングシートで代用できます
なるべくシワにならないように貼っていきまして…
どうしても少し足りなければクッキングシートを当ててしまいます
これからアイロンで熱をかけるため、グルーの部分は全て覆ってしまうのがポイント。
で、だいたいこんな感じになります
新聞紙などを2枚程度敷いた台の上にシールを置きます
先程使用したクッキングシートがコチラ
なにも特別なものではなく、普通にその辺のスーパーや100均で売っているものでOKです
紙なのにグルーが貼りついてしまわない秘密は…
シリコン樹脂加工してあるんですね
次にアイロンの温度を110~120℃程度にセットします
アイロンをかけるのは、グルーに含まれている水分を蒸発させるのが目的
そのため、シールはいったん完全に干してからの作業が理想的です
100℃で水分は蒸発するはずですが、ペーパーを挟むとアイロンの熱が伝わりづらくなるために少し高めの設定にしています
次に、アイロンがけ。
3~40cm程度の範囲で数回往復して…
ローラーで優しくコロコロします(力を入れすぎないようにしましょう)
これ、円筒形のものなら何でもOK!
一番使いやすいのは、中身が入っている缶ビールっww
ポイントは【全体を熱してからコロコロする】のではなく、【3~40cmのストロークで熱してはコロコロする】という点です
この作業を数回繰り返し、シール全体に熱を加えてグルーに含まれている水分を飛ばしたら粗熱を冷まします
その間にもう一方のシールにも同様の手順で熱をかけ、冷まします
手で触れてみて、だいたい常温に近ければOK!
タッチアップした場合は塗り足したグルーがはみ出ていたりするので、この時点でマスキングテープなどを使って丁寧にペタペタして取り除いておきましょう
これで水分という要素については対策OK♪
次は夏の間の酸化防止についてです
脱酸素剤などを入れるほどのことは無いのですが、経験上ジップロックみたいなもので密閉するのが理想的です
撮影のために店内にあった薄い袋を使用していますが、ピンホールが空いてしまうこともあるので、できれば厚手のフリーザーパック等を使ってください
こんな感じでシールを折りたたんで袋に入れたら…
手のひらで空気を押し出して密閉します
一つの袋に片方ずつ入れた方がいいでしょう
シールの【毛】の部分が湿っている可能性があるからという事で密閉を避けた方が良いという意見もありますが、袋への収納時にシリカゲルなどの乾燥剤を一緒に入れておくことで水分への対策は取れるはずです(実際、自分ではこの方法で不具合が出たことはありません)
ちなみに、購入時に付いてくる【チートシート】と呼ばれる下記の写真のメッシュシートは、あくまでも山でシールを持ち運ぶ時に使うもの
シーズンオフの長期保管時や、シーズン中でも『2~3ヶ月使わないかな』というときは、メッシュシートは使わない方が身の為です
空気と触れている状態だからなのか、これを使って長期保管するとグルーがネトネトになってしまうケースが多く見られます
ここまで作業をおこなったら、なるべく涼しいところにシールを保管します
グルーは温度(気温)によっても変質するため理想の保管場所は冷蔵庫ですが、庫内の湿度にも気を付けてください
せっかく低温の環境に格納したのに水分が原因でグルーが劣化することも考えられます!
人によってはカメラなどを入れる《防湿庫》に入れるなんて言う話も聞きます
メーカーによってグルーが劣化する温度については各社でいろいろ言われており、G3では従来保管条件が22℃以下の冷暗所ということになっていましたが輸入元の担当者さんの話では今シーズンから『冷凍庫に入れるべし!』という事になったようです
これは水分を凍結させてしまうことでグルーを劣化させないようにする意味合いが高いです(いかにも北米の人たちの発想ですねw)
ちなみに従来自分は屋内の『人が生活していて不快な気温にならない場所』に上記の状態で保管していますが、いままで決定的にグルーをダメにしてしまった経験はありません
どうしてもシールの使用を繰り返したり購入から時間が経つにつれてある程度の劣化は仕方ない部分がありますが、グルーの貼り換え作業はショップに依頼すると15000円前後掛かります
少しでも寿命を延ばすためには正しい保管方法を実践することが大切です
ご質問がある方はグリーンハウス盛岡店の他、八戸店・青森店にもスキー担当者がおりますので、お近くの店舗にお問い合わせくださいネ