
スキー取り付け作業風景のご紹介っ!
皆さんこんにちは!
盛岡店のトーチャンです
先日、網張温泉スキー場近くの《ありね山荘》の温泉に行ったら雪が降っていました♪
雪を嫌がる人も多いけど、どうせ降る雪、楽しまなきゃ損ですっ
ちなみに私は若い頃に雪を追いかけていたら、いつの間にか酸ヶ湯温泉の屋根裏に居候していた過去がありますww
さて、だんだんとあちこちから初雪や初滑りの声が聞こえてきて気分も盛り上がってきたところで、今回のブログはバックカントリースキーの取付作業のご紹介をしたいと思います
記念すべきシーズン初の獲物はコチラ!

トーチャンが大好きなK2の、21-22モデルのMindbender102Tiです
あおってみるとトップがすごくしなやかでテールも硬すぎず柔らかすぎずロッカー度合いも適度で、潜る雪での滑走性がめっちゃ良さそうです
ちなみにこのモデルにはトーションビームが入っているので、エッジの食いつきは飛び系の板よりはかなりいいみたい!
で。
まずはスキーにマーキングされている《ブーツセンター》の位置を探します
これはサイドウォールのプリントだったり化粧面の凹凸だったり、メーカーによって表示や位置が異なります

左右のスキーで位置が異なっていないかをメジャーを使って計測して確認したら、今回は板の色が暗いので上の写真のようにマスキングテープを貼ってセンター指定位置を書き込みます
基本的に《前向きに滑る板》の場合は指定位置が1本の線で示されていますが、BCフリースタイルなどの《飛んだり回したりできる板》の場合はブーツセンターのある程度の幅が持たされていて迷うこともあるかと思います
さらにこれがテレマークビンディングの取付だったりすると… 泥沼ですw
ってことで、その辺りについてはゲストの方のスキースタイルや体格・足の大きさ等に加えてトーチャンの経験と直感によって位置決めしています
今回はビンディングがアルペン(AT)なのとスキーのコンセプト的に《前向き系》なので、メーカー指定位置に取付します
ブーツに刻まれている《ソール長》が306mmとのことなので、取付用のゲージをスライドさせてソール長に合わせます

最近のゲージは位置決めが楽になったもんだなぁ…
で、次にゲージのブーツセンターマークをスキーのセンターマークに合わせます

こんな感じ。
0.5mm単位くらいで前後にずらして微調整して位置を決定したら、スキーのテールからゲージの任意の位置までの距離をミリ単位で計測しておきます
これは、一旦穴あけした後もう一方のスキーにゲージをセットし、同じ区間の長さが合っているか確認するためです
テールからセンターマークまでの距離は最初に計測して一致させているので、もしここで差異があればゲージの位置がずれているという事になります
で、これが取付用ゲージ↓

各モデルによって専用のものになっています
この金属ゲージや紙ゲージが無い場合、板の上にマスキングテープをいっぱい貼ってノギスや三角定規やディバイダ―等を総動員して製図していくことになります
完全カスタム取付作業の詳細は下記リンクの後半をご覧ください
https://ameblo.jp/movinghearts/entry-12651102331.html
さて、ここまで済んだところでドリル作業に移ります
メタル入りの板はΦ4.1mm指定ですが、切れのいい刃が無い場合は迷わずΦ3.5mmで一旦穴あけし、その後Φ4.1mmで追加ドリリングします

こんな感じで削りカスに金属が含まれています
これ、切れが悪いドリルで作業すると焼きが入ってしまい、最悪の場合はネジが入らなくなってしまうことがあります
また、アルペン系のビンディングとテレマークのビンディングではネジの位置が異なり、トゥピースのネジにかかる負担も異なります
上記の理由の為、テレビンディングの取付の際には、メタルのカスが出てきた穴だけをΦ4.1mmでドリリングし、他の部分はΦ3.5mmでOKです
まぁ例外もありますが、ウッドコアにΦ4.1mmで穴あけしてビンのすっぽ抜けしたという話を多く聞きます
さて。
メタル入りのスキーの場合に、この次に行うのが《タッピング作業》
メタルシートにネジ山を作る作業ですね

こんな雰囲気で行います
タップがスキーに対して鉛直に刺さるようにするのが重要なポイント!

一気にグルグルせず、《180度回したら90度戻す》を何度も繰り返してジワジワと進めることで、スキーにかかるストレスを軽減させます
RottefellaのNTNのテレマークビンディングのようにネジの本数が多いとめっちゃ疲れますw
頑張ってタッピングしたら、次はコレ!

高速度鋼の面取り専用カッター!
スキー用のものではなく、ホームセンターで売っている(でも高いww)Φ12mmの面取り専用のものを使用しています
ドリリングし終わった状態が下の写真

スキーの化粧面に対して穴がストレートになっていますね
このまま取り付けているショップさんもあると思いますが、実際にネジを入れるとネジの周囲が微妙に盛り上がることでビンディングがスキーの表面から浮いてしまうんです
《面取り》とは、その盛り上がるであろう部分を先に除去しちゃおうという作業で、大工さん系の職業の人たちならよく知っていると思います
で、面取り後の状態が下の写真↓

穴の縁が綺麗に削り取られているのが分かると思います
この作業はメタルが入っていないスキーでも行いますが、面取りカッターの切れがいい場合は力加減を誤ると削りすぎてしまう場合があるので油断禁物です
ここまで進んだら、ネジ穴の中に防水液を流し込んでビンディングを固定していきます

今回は将来的にビンディングを外して他の板に乗せ換えもできるように、がっちり固定できるエポキシ系接着剤ではなく非水溶性の緩み止め効果がある特殊な防水液を使いました
なお、ビンディングの取付作業にはプラスのドライバーを使用しますが、先端形状が家庭用のものとは微妙に異なっていて強い力がネジに集中するようになっていて、ネジ側の規格も専用になっています
自分でドライバーを購入したい場合は…
ポジの3番
と覚えてください
《PZ #3》などと表記されることもありますね
このポジドライバーに対して、家庭などで広く一般的に使われているものは《フィリップス》と呼ばれており、家電メーカーとしても有名なフィリップス社のオープンパテントの規格なんです
さっそく明日から知ったかぶりして仲間に教えてあげてくださいww
さて、今回取付作業を行ったビンディングはフリッチの最高峰モデルのテクトン13ですが…

なんと、こちらのモデルには『着せ替えセット』が付いてくるんです!
リカちゃんみたいですね♪
あ、通じない方はスルーしていただいて結構ですw
で、微妙にスキーのカラーと合っていなかったのでパーツ交換してみました!

うん、なかなかいい感じです!
この後、納品のタイミングでゲストの方がブーツを持ってきたら前後長とリリース強度を調整して終了です
**********************************************
グリーンハウス盛岡店ではバックカントリースキー(AT&Tele)の取付・調整作業を随時お受けしております
持込み品については状況によって作業ができない場合もありますので、詳細は担当・保坂あてにお電話ください
BC愛好者の皆様のお越しをお待ちしております!