
ニューモデルAT&テレマークスキー試乗会【イベントレポート】
皆さんこんにちは
盛岡店のテレマーカーのトーチャンです
3/11~14日の4日間、岩手・網張温泉スキー場と青森・八甲田スキー場のご協力のもと、
協賛各メーカーさんよりスキーやブーツ・ゴーグル等々をお借りして、バックカントリースキーの試乗会を行いました。
前半戦の網張温泉スキー場は低気圧の接近に伴い徐々に風が強くなりましたが、朝イチは硬かった雪面も両日とも午後には陽射しのお陰で春のザクザク雪の様相を呈し、ある意味でBC用のスキーの性能を試すには好条件だったかも・・・
一方の青森会場は初日に霙から雨天になってしまいましたが月曜は青空も覗き、一般ゲストの方のみならずロープウェイパトロールの皆さんや各スキーガイドチームの皆さんにも遊びに来ていただくことができました。
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さて、どんどん道具を紹介していきますよっ!
スキーの紹介とブーツの紹介が混在しているのは許してくださいw

まずこちらはLINE
一見太いわりに軽快に遊べる定番のSAKANAや、昨年から形状が進化してセミツインチップになった新製品のBLADE OPTIC、
そしてテレマーカーに人気というソフトフレックスのVISIONなどがありました。
ユルい滑りもできるけどガンガンスピードを出しても怖くない、プレイフルなスキーが多いイメージのブランドです
さて、試乗用のブーツもご紹介っ!まずはスカルパから

スカルパのATブーツは定番の軽量モデル・マエストラーレ(手前)と、滑走性能時重視・グリップウォーク採用の4バックルのニューモデル
軽量で軽快なのがいいのか、普通のアルペンブーツに近いホールド感が欲しいのか…
ソールはテックだけに対応すればいいのか、グリップウォーク規格がいいのか…
各社いろんなタイプのブーツが選べるので、こういう機会に試し履きをしていただくと自分の中のイメージがはっきりしてくると思います。

テレマークブーツはNTN規格の定番・TX-PRO
このモデルは従来からの75mmNORMのT1と比べると全体的に足のボリュームが出ているので、幅広の人にも履きやすくなっています。
《PRO》なんて名前がついているけれどメッチャ硬いわけではないので、それほど怖がらずに一般レベルのテレマーカーの皆さんにも安心して履いていただけます♪
滑走主体のモデルはNTN規格に集約されていく方向にあるので、75mmのブーツを使っている方は試乗会で各社のNTNブーツをたくさん履いて、今のうちに自分の好みのものを見つけておくといいと思います。
また一方で、滑りと歩きを織り交ぜながらのテレマークツアーの場合、現状では歩きの軽快さの点で75mm規格の道具に軍配が上がります。
スカルパからは75mm規格のテレブーツとして、エントリーユーザーからベテランまで幅広い支持を受ける《T2 ECO》や、
不安定さの中に楽しみを見出したい細革派の味方《T4》などがラインナップされています。
次は軽量ATスキー用具のトップメーカー《DYNAFIT》より

こちらは、その名も《SEVEN SUMMITS》 世界7大陸のテッペンに行っちゃおう!というコンセプトかな?
スキーを担いで歩くときにグリップしやすいソールパターン&素材を採用し、
脛のバックルを締めると自動的にスキーモードになってしまうというアイデアが詰め込まれ、さらにパーツの数を減らすことで軽量化と滑走性を両立させたモデルです。
板自体も細身で軽量なタイプ&D社の最軽量ビンディングが付いていたので、これまたオドロキの軽さでした。
ちなみに現在ではBC系のものしか作っていないDYNAFIT社ですが、かつてはアルペン競技モデルも作っていたメーカーで、世界的な大会で上位に入賞するような選手を抱えていた時代もありました。
そして現在ATビンディングの主流になったテックシステムはDYNAFIT社が開発したものなんです。
トーチャンが業界に入った30年近く前からテックシステム自体はあったのですが、あの頃はここまで普及するとは思ってもみませんでした。
ここ10~15年くらいでテック規格のブーツやビンディングが多くのメーカーから発売され、日本の市場もテックが主流といっても過言ではありません。
何と言っても従来タイプより軽量で、トゥピースのリリース機能を充実させたモデルや踵の保持力をアップさせたモデルなど、各社から様々なモデルが発売されています。
スキーを履くときに少し慣れが必要ですが、これから道具を揃えるという方はテックタイプを選ぶことを前提にして間違いないでしょう。
次はSCOTTのテレマークブーツ

トップモデルのVoodooで、NTNモデルの現行品は黒とグレーのコンビ・75mmモデルは写真のカラーになっております
もともとは《GARMONT(ガルモント)》というメーカーがテレマークブーツを作っており、
一時はテレマークの神様ことポール・パーカー様も開発陣にいましたが、その後現在はオトナの事情でSCOTTブランドになっております。
ちなみに、同じシェルを使って75mmNORMとNTNをリリースしているのはSCOTTだけ!!
NTNに乗り換えようと思っている方にとって、シェルの感覚が変わらずに移行できるのは大きなメリットですね。
何を隠そうトーチャンはガイドやってた時にVoodooの1世代目を供給されたあと4足履き続けており、
フレックスのスムースさと横方向の剛性の高さの虜になってしまって他のメーカーに浮気ができなくなってしまいましたww
テレマークターンのみならずアルペンターンの際の安定性やシェルの踵のホールド性など、総合的に一番気に入っております。
そして、G3のスキー

黄緑のSEEKr(シーカー)はトップロッカーが大きくなっており、パウダーやザクザクザラメ等のやわらかい雪が得意なタイプ。
対して赤いFINDr(ファインダー)はトップ部分のロッカーもほどほどになっており、旋回性能が高い一方で少し硬い雪でも内足でしっかり切るようなテレターンが可能です。
ガリガリのバーンはさすがにバイブレーションを感じますが、オールマイティな軽めのBCツアーモデルとして、K2のWAYBACKシリーズと並んでイチオシです!!
そして、昨年に引き続きスワンズのゴーグル
Rottefella正規輸入代理店であり、様々なアウトドア用品の問屋さんであるミヤコさんはSWANS製品も取り扱っております。
スワンズのゴーグルは何といっても《フィット感がダントツでイイ》のが特徴!!
そして、ただ国産だからフィット感だけが売りなのではなく、曇りづらさの探求や見えやすいレンズの開発など、その技術力がヤバいです。
ガイド時代にスポンサーになっていただいてスワンズのゴーグルを使っていましたが、開発部の担当者に『こんな感じにすると曇らないよ』みたいなことを伝えると翌週には試作品が届いちゃうというようなフットワークのいいメーカーです。
イチオシは《ラカン》という平面レンズのモデル! 採用されているレンズはSMITHのクロマポップやOAKLEYのPRIZMレンズみたいな感じで、特に光量が少なくてフラットアウトしたような雪面の見やすさはダントツ!!
調光レンズのモデルもあるので、レンズの曇りが凍結しない時期であればゴーグルを1個だけザックに入れて荷物の軽量化も図れますね。
また、輸入ブランドと違ってフレーム各部分に貼ってあるスポンジが破れてしまったときなど、メーカーに相談すると快く貼り換え修理対応してもらえるのもSWANSならではです。
次は、今シーズン始まりに一部のコアなユーザーがザワついたSWANYのグローブ

甲の部分にファスナーがついているモデルはインナー手袋をしたまま指をガバッと出せるので、細かい作業をするときにグローブを外す手間がいらない優れもの。
バインディングの調整などのシチュエーション多いBCボーダーの皆さんにイチオシです
スキーは上記で紹介した以外に、《K2》《BLASTRACK》《SCOTT》《RockyMountainUnderground(RMU)》《MOVEMENT》《Black Diamond》なども多くのお客様に試乗していただきました。

こちらのお客様に履いていただいたのはBLASTRACKの大人気定番カーバー《ELIXIR》
とにかく切れますコレ。
普通に乗っているだけでカービングできちゃうマホーのスキー!!
普段185cm前後のスキーばかり乗っているトーチャンは青森会場で30年ぶりに165cmなんていう短い板に試乗しましたが、スピードを出してもターンの最中にバイブレーションが起きることもなく、内足のキレがとても気持ちよかったです。
フレックス自体は決して硬くないのですが、トーションの硬さと独特の形状によって気持ちよいカービングターンに繋げているんでしょうね。
試乗すると欲しくなっちゃうタイプの危険な板でしたww
来期は従来モデルに近い《ELIXIR-E》と、少し軽量化を図った《ELIXIR-L》の2種類がリリースされます。
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網張会場はお陰様で30名以上の方にお越しいただきました!
土曜日は風がさらに強くなり写真に写っているシェードも張れないような状況でしたが、幸いに空は晴れたままでした。
2日間の試乗会終了後にスキーをハイエース2台に積み込み、八戸店のM山クンと一路青森へ!
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第2会場の八甲田スキー場、初日の日曜日はあまり天気が宜しくない予報

昨日までの青空はどこへやら…
幸いにも風が弱かったので八甲田山荘さんの脇にテントを設営し、試乗ブーツの脱ぎ履きはテント内で行っていただきました

コチラはBlackDiamond社のスキー
ビンディングは、テレマーク用にNTNの元祖・RottefellaのものとATはFritschiのものが2種類セットされていました。
ビンディングもATは特に軽量さ重視のものと滑走性能や耐久性重視のものに分かれます。
写真左端はF社のヴァイペックで、ヒール側を2本のピンで固定する標準的なテックタイプ。
一方、上位機種のテクトンはヒールを通常のアルペンビンディングのように固定するので、よりブーツの保持力が高くなっています。
これはトーチャンの主観ですが、センター幅が120mm前後あるようなスキーに装着する場合はテクトンのようなタイプのビンディングの方が、数年使い込んだ時の左右方向のガタや通常滑走時のミスリリースが起きづらいように思います。
それぞれのモデルにメリット・デメリットがあるので、繰り返しますがご自分の指向やスタイルをはっきりさせるのが《自分に合った道具》を見つけるための重要なポイントです
次はK2のMindBenderシリーズ

これも乗ると欲しくなっちゃうシリーズですw
同じK2のWAYBACKシリーズがハイクアップ時の軽量さも重視したツアー向けとするならば、MINDBENDERシリーズはとにかく不整地をガンガン滑りたい人向けのモデル!
もちろんビンディングはATやテレマークだけでなく、普通のアルペンビンディングでもOK!!
ピステンをかけたゲレンデや少し硬い雪面でも足元がしっかりしているので、太いモデルに乗ってもキレがあるのが特徴ですね
そして今回K2からは《DISPATCH》というシリーズがリリースされ、こちらは軽量化しつつも滑走性能を求めたモデルとなっており、R(回転半径)が20台後半というストレート気味なサイドカーブが印象的!
見た目は4FRNTのHOJIみたいな《縦に落ちる高速系》でした
できればパウダーでテレマークビンディングをつけてテストライドしてみたかったな。。。
ちなみに試乗したお客様からはかなり好評でした!
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現地には冒頭でご紹介した以外の協力メーカーさんたちも駆けつけてくれました!
存在感がありすぎて写真を撮り忘れた山本光学の川上さんの他、キャラバンの岡さん、そしてガルモントブランドをはじめとしてVoile・G3・TUA・LINKEN・YostMark等の北米のテレマーク用品を日本に紹介し続けてきた元ノルハイムのプロダクトセールスマネージャー禰津さん!
ノルハイムが(株)キャラバンに発展的に吸収された後は同社のスタッフとしてスキー部門を牽引し続け、数年前にリタイヤした後は秋田と岩手の県境に移住してスキー三昧のスノーシーズンを過ごされているというテレマーク業界のレジェンドの一人で、実はヒマラヤ8000m峰登頂経験もあるアルパインクライマーという経歴の持ち主だったりします。
その禰津さんが…
なんと…
スカルパのブーツに足を入れて遊びに行こうとしているww

わかる人にはわかるスクープ写真ですコレwww
この後はCrispiのテレマークブーツも試し履きしたり、インナーブーツを自分のものと交換して滑ってみたり…
レジェンド曰く『それぞれのモデルで自分の足裏からビンディングまでの距離が異なる』とのこと
ビンディングの厚みを気にしたことはあったけどブーツ自体も言われてみるとソールの感覚が少しづつ違いますね。
メーカーごとに操作感に違いがあったのは、これが原因だったのか…
しかも『シェルはいいんだけどインナーブーツの足底が厚すぎる気がする』とのこと
インナーを入れ替えて履くことで、いろんなことが判ったりします。
いやー、さすがにレジェンドは視点が違います!
かれこれ四半世紀以上のお付き合いですが、いつまでも学ぶことばかりです。
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今回のグリーンハウスBCスキー試乗会にご参加いただいた皆様、ありがとうございました
参加者特典といたしまして、3月中に来季モデルのスキー・ビンディング・ブーツなどをご予約いただくと10%分のポイント還元をいたします。
小売店側から対・輸入元や国産メーカーへのオーダーは締め切り日を過ぎており、特に輸入ブランドは来期の輸入元のフリー在庫から抜いてもらうという都合上、タイミングによっては人気モデルを中心にご希望に添えない場合も出てくるかと思われます。
『気になるモデルがあった!』『あのモデルが欲しい!』という方は、お早めに最寄りのグリーンハウスへお越しくださいませ。